The Legend of Zelda: Phantom Hourglass
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The Legend of Zelda: Phantom Hourglass

『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』は、任天堂が2007年にニンテンドーDS向けに発売したアクションアドベンチャーゲームで、『風のタクト』の直接の続編にあたる。本作はDSのタッチスクリーンとマイクを活用し、タッチペンで移動・戦闘・航海などの操作を行うのが特徴で、海王神殿を繰り返し探索する冒険が展開される。独自の操作体系とセル調グラフィックが評価され、全世界で413万本以上を売り上げた。

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ゲーム内容と特徴

『夢幻の砂時計』で最も印象的なのは、ゲーム全体がタッチスクリーンに移されたことだ。プレイヤーが手にするタッチペンは、リンクの剣であり、同時に足でもある。画面上の場所をタッチすれば、リンクはそこへ歩いていく。敵をタッチすれば剣で攻撃し、丸を描けばブーメランが飛んでいく。この操作体系は、当時のゼルダシリーズでは初めての試みであり、初めて触れるプレイヤーにとって新鮮に映った。

戦闘や移動に加えて、タッチペンは多くの謎解きにも使われる。例えば、壁に描かれた形を画面になぞってなぞると開く扉や、DSのマイクに息を吹きかけることで作動する仕掛けがある。航海では、海図に直接航路を描けば、その線に沿って船が進む。これらの設計により、タッチスクリーンは単なる表示画面ではなく、ゲームの一部として機能している。

ゲームの中心となるダンジョンは海王神殿で、繰り返し入る必要がある大規模な地下迷宮だ。リンクは呪いにかけられ、入るたびに幻影の砂時計の砂の力で行動できる時間が限られ、時間切れになると強制的に外へ出されてしまう。神殿には「ファントム」と呼ばれる敵がおり、彼らはほぼ無敵で、回避するしかない。幸い、神殿内には安全地帯があり、そこで一息つきつつ、毎回の進入で新たに開通したルートを利用して、少しずつ奥へ進んでいく。

航海パートも興味深い。プレイヤーはライン・バックの蒸気船を操り、広大な海図上を航行し、さまざまな島を探索する。船には大砲が装備されており、敵や障害物に砲撃できる。また、特殊な地形を越えるためのジャンプ機能もある。航海と島の探索は交互に行われ、海上で道を探したり海の怪物と戦ったり、島に上陸すれば謎解きやダンジョン攻略を楽しむ。この2つのプレイスタイルが織り交ぜられることで、テンポが単調にならないようにしている。

本作には、ゼルダシリーズでは珍しいマルチプレイ対戦モードが追加された。1人のプレイヤーがリンクを操作し、もう1人が3体のファントムガードを操作して、小さなフィールドでフォースジェムを争奪する。このモードはローカル通信に対応し、任天堂Wi-Fiコネクションによるオンライン対戦も可能だった。機能はシンプルだが、友人と遊ぶと、追いかけっこのような緊張感が楽しめる。

作品背景

『夢幻の砂時計』の物語は、『風のタクト』のエンディングの直後から始まる。『風のタクト』の最後で、リンクとテトラたちは新しい陸地を求めて海へ出た。本作の冒頭で、リンクとテトラは謎の幽霊船に遭遇し、テトラはさらわれ、リンクは海に落ちて、海の王という老人に助けられる。テトラを救うため、リンクは船長ライン・バックと共に旅立ち、幽霊船の謎を追うことになる。

本作は2007年6月23日に日本で発売され、同年10月に北米や欧州などで、2008年4月3日には韓国で発売された。ゼルダの伝説シリーズ第14作目にあたり、シリーズで3番目にマルチプレイモードを搭載した作品でもある。前の2作は『ゼルダの伝説 4つの剣』と『ゼルダの伝説 4つの剣+』である。ただし、本作のマルチプレイは追加要素であり、メインストーリーはシングルプレイ専用だ。

本作は『風のタクト』の直接の続編であり、発売前から注目を集めていた。『風のタクト』はゲームキューブで高い評価を得たものの、売上はそれほど振るわなかった。任天堂が続編を作るとは、しかも携帯機で出すとは、多くの人が予想していなかった。この継続性はストーリーだけでなく、グラフィックスタイルにも表れており、セル調の3Dグラフィックで、リンクやゼルダのデザインも『風のタクト』に似ている。

本作はWii Uのバーチャルコンソールでも再配信された。2015年11月にPAL地域、2016年5月に北米、2016年8月に日本で配信された。このバージョンは基本的にオリジナルの移植で、新要素は追加されていない。ただし、当時DS版を逃したプレイヤーにとっては、Wii Uでプレイできるのは便利な選択肢だった。

本作のストーリーと世界観は『風のタクト』を継承しているが、舞台は新しく設定されている。ゲーム内の海域は「大海原」と呼ばれ、多くの島が点在し、各島には独自の謎解きや物語がある。敵役のベラムは幽霊船の黒幕であり、その正体や動機はゲームを進めるにつれて明らかになる。物語全体の雰囲気は『風のタクト』よりも軽やかだが、緊張感が必要な場面ではしっかりと盛り上がる。

制作背景

『夢幻の砂時計』の開発は2004年5月に始まった。『風のタクト』の発売から2年以上が経過していた。開発チームは『4つの剣+』と同じメンバーで、当初は『4つの剣+』のようなマルチプレイ協力プレイを目指していた。しかし、DSのタッチスクリーンは新しいものであり、それに合わせてゲームを設計すべきだと気づき、当初の構想を白紙に戻して、タッチ操作の可能性を探り始めた。

開発中に重要な決定があった。最初のプロトタイプでは、アクションを上の画面に表示し、タッチスクリーンはマップ表示に使っていた。しかし、その後、画面の配置を交換し、アクションと主要な操作を下の画面に置き、上の画面はマップや補助情報の表示に使うようにした。この変更により、プレイヤーはタッチペンでより直接的にキャラクターを操作できるようになり、上下画面の役割分担も明確になった。この設計は、後に多くのDSゲームの参考となった。

プロデューサーの青沼英二はインタビューで、『風のタクト』の売上が振るわず落ち込んだが、それでもセル調のスタイルを続けたいと考えていたと語っている。彼はDSのタッチ操作がゲームをよりシンプルで直感的にし、これまでゼルダをプレイしたことのないカジュアルゲーマーを惹きつけるかもしれないと考えた。結果的に彼の考えは正しく、本作は多くの人に、カジュアルゲーマーを惹きつけた最初のゼルダゲームと見なされている。

開発チームはインターフェースの設計に多くの労力を費やした。シンプルなインターフェースは日本のプレイヤーに受け入れられると考え、アメリカのプレイヤーを惹きつけるためにWi-Fi対戦モードを追加した。このように市場ごとにプレイヤーの好みを考慮するアプローチは、当時の任天堂ゲームでは珍しかった。ただし、Wi-Fi対戦機能は、2014年に任天堂Wi-Fiコネクションサービスが終了したため、現在は利用できず、オンライン対戦はローカル通信のみとなっている。

ゲームにはタッチペンを活用した小さな仕掛けが多数ある。例えば、形を描いて扉を開ける、航路を描いて航海する、マイクに息を吹きかけて火を消すなどだ。これらのアイデアは、開発チームが試行錯誤を重ねて生み出した。彼らは、タッチペンがボタンの代わりではなく、本当に新しいゲーム体験をもたらすものであるとプレイヤーに感じてほしかった。結果として、これらの設計は『夢幻の砂時計』をDS上で唯一無二の存在にした。

評価と影響

『夢幻の砂時計』は発売後、高い評価を得た。Metacriticのスコアは「広く好意的なレビュー」を示している。メディアやプレイヤーは、タッチ操作の仕組み、世界のデザイン、グラフィック表現を広く賞賛した。多くの人が、タッチペンでリンクを操作して移動や戦闘をするのが想像以上に快適で、海図を描いたり形を描いたりする遊びも独創的だと感じた。一方で、本作のカジュアル寄りの傾向や、オンライン機能の簡素さを批判する声もあった。

商業的にも成功を収めた。日本では発売初月に302,887本を売り上げ、月間売上トップとなった。北米では初月に262,800本を売り上げ、月間5位だった。2008年3月時点で、全世界累計売上は413万本に達し、そのうち日本は91万本だった。携帯機のゼルダとしては、かなり好成績である。

受賞歴も多い。GameSpot、GameSpy、IGNはすべて本作を2007年のDSゲーム・オブ・ザ・イヤーに選出し、2008年にはAIAS(米国インタラクティブ芸術科学アカデミー)からハンドヘルドゲーム・オブ・ザ・イヤーを授与された。これらの賞はすべてを物語るわけではないが、当時の業界が本作を高く評価していたことを反映している。

本作は後のゼルダシリーズにも影響を与えた。タッチ操作がゼルダで有効であることを証明し、後にWii Uで発売された『風のタクトHD』などの作品の参考にもなった。さらに重要なのは、任天堂にセル調グラフィックの可能性を示したことだ。『風のタクト』の売上は振るわなかったが、『夢幻の砂時計』の成功により、このスタイルが継続されることになった。

『風のタクト』の続編として、『夢幻の砂時計』はシリーズの中で特別な位置を占めている。前作のスタイルと物語を継承しつつ、大胆に新しい操作方式を試みた。続編の『大地の汽笛』が2009年に発売されたが、本作は今でも多くのプレイヤーにとって、DSで最もプレイする価値のあるゼルダゲームの1つである。

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